変形性関節症の治療薬について
こんにちは。
ねこのクリニック浦和です。
今回は変形性関節症の治療薬についてお話いたします。
おばあちゃん、おじいちゃんになって、寝てる時間が多くなった、ベッドに登って一緒に寝ていたのに一緒に寝なくなった、前登っていた場所に登らない、ソファーにジャンプすることを躊躇する、ということは老猫と暮らしている方はよく経験しているのではないかと思います。
もしかすると、その猫ちゃんは足腰が痛くなっているのかも知れません。
猫の変形性関節症は、関節の軟骨が薄くなることで関節の痛みを起こす病気です。
12歳以上のねこちゃんの90%に変形性関節症があると言われています。
先日、不機嫌な顔で寝てばかりいるようになっていたおばあちゃん猫ちゃんを変形性関節症と診断し、「ソレンシア」という痛み止めのお薬の注射を使用したところ、以前よりよく歩くようになり、以前登らなかったところに登り、毛艶もよくなり、表情が明るくなりました。
ソレンシアは猫の変形性関節症の痛みに対する抗NGFモノクローナル抗体製剤で、欧米ではすでに使われてきましたが、日本では今年発売された新しいお薬です。
猫ちゃんは高齢になると腎機能が落ちていることも多く、なかなか安心して使える痛み止めのお薬が今までなかったのですが、このお薬は腎臓が気になるお年頃の猫ちゃんでも安心して使えるのでとても使いやすいお薬だと思っています。
実際使っていると、注射による月1回の投与で今までの飲み薬の痛み止めと比べて家で薬を飲ませるという飼い主さんの負担がないことも大きなメリットと感じています。
毎日の痛みから猫ちゃんを解放してあげたいですね。
まずは、猫ちゃんの様子をよく観察して痛みを感じていることに気づいてあげましょう。