猫の皮膚糸状菌症
こんにちは、猫のクリニック浦和です。
今回は皮膚糸状菌症についてです。
診察室では猫カビや真菌という名前で説明される機会が多いかもしれません。
症状
カビの一種である皮膚糸状菌が皮膚や毛、爪などに侵入し症状が発現します。
感染すると耳介や顔周り、足や脇などの部分で脱毛や痒み、感染部分からフケが多くでます。特に免疫力の低い子猫や老猫、長毛種の猫に多く見られます。
*人獣共通感染症のため他の動物や人間に感染します。
人ではリングワームとよばれる皮膚炎になり痒みがあります。(必ず人間の病院にいきましょう)
(人が感染した画像です)
感染経路
感染している被毛やフケなどに接触することで感染する場合と、菌の生息する土壌やほこりなどから感染する場合があります。
治療
局所の場合や内服薬が負担になってしまう猫は外用薬で治療しますが、全身性の場合は内服薬や抗真菌用シャンプーなどをおこなっていきます。
完治するまでに長くて3〜6ヶ月かかるため、内服で行う場合はお薬が肝臓等に負担をかけていないか定期的に血液検査等を行いながら経過を確認していきます。
生活環境の改善
・落ちた毛やフケが感染源となるため、掃除機やコロコロで徹底的に排除しましょう。感染した被毛は体から落ちたあとも1年近く感染力を持っていることもあります。
・使用したもの(タオルや食器など)は熱湯(60度以上10分程度)や次亜塩素酸ナトリウム希釈水(10~15分)での消毒
・洗濯可能な物は少量で2回かけ、可能であれば熱乾燥機を使用してください。
・猫とのふれあい後は手洗い等の感染予防をしましょう。
※猫に直接希釈水をかけるなどは絶対にしてはいけません。
猫ちゃんの皮膚に気になる症状がある際はご相談ください。