子猫のワクチン接種について
みなさん、こんにちは。ねこのクリニック浦和です🐈⬛
今回は子猫のワクチン接種についてお話致します。
🐾子猫のワクチン接種の時期・回数は?
みなさんは成猫のワクチン接種と子猫のワクチン接種では接種する回数に大きな違いがあることをご存知ですか?
成猫は3年に1回(もしくは※1 1年に1回)ワクチン接種を行いますが、子猫は1歳までの間に複数回のワクチン接種(1歳時の追加接種※2を含む)が必要となります。
子猫の時期と言ってもいつ接種しても良いわけではなく、きちんと決められた時期に、決められた間隔で、決められた回数を接種することが大事になります。
以下は当院での子猫のワクチン接種の時期や回数、接種間隔について記載致します。
1回目接種:生後約2ヶ月
2回目接種:生後約3ヶ月
3回目接種:生後約4ヶ月(生後16週齢以降に一度接種することを推奨)
追加接種:生後約1年
1回目、2回目、3回目の接種は約3〜4週間間隔で行います。
※1 成猫の場合、ねこちゃんの生活している環境や状況により推奨される接種回数に違いがあります。
※2 追加接種とはワクチンの効果を高め、持続させるために行う接種のことであり、初年度の3回目までのワクチン接種にきちんと応答しなかった子猫に対して、確実に免疫をつけるという効果もあります。当院では生後1年での追加接種を推奨しております。
🐾なぜ子猫は1年の間に複数回のワクチン接種が必要なの?
通常、産まれたばかりの子猫は母猫からの初乳を飲むことで、母猫から抗体を譲り受けます。この抗体のことを移行抗体と言います。
移行抗体は生後数ヶ月で子猫の体内から消失しますが、体内にあるうちは感染症から子猫を守ってくれます。体内から消失してしまうと感染症にかかりやすくなるため、ワクチンを接種して子猫自身に免疫力をつける必要があります。ただし、移行抗体が体内に残っている間にワクチンを接種しても、ワクチンの効果がきちんと発揮されないので、移行抗体が体内から消失する時期を見計らってワクチン接種を行う必要があります。
ところが、困ったことに体内の移行抗体がどのくらいの月齢時にどのくらい体内に残っているのかはその子によって違い、これらを予測することは出来ないため、抗体が消失し始める可能性がある時期に複数回ワクチンを接種する必要があります。
成猫と比べると子猫はとても弱い存在です。免疫力の低い子猫が感染症にかかると、最悪の場合死に至ることもあります。
子猫に限らず猫のワクチン接種は義務ではありませんが、ワクチンを接種することで一部の感染症に罹患するリスクを軽減することができます。また罹患してしまったとしても重篤化を防ぐ効果もあります。
🐾ワクチン接種前・接種後に気をつけることは?
◻︎体調が良好な時に接種しましょう
◻︎ワクチン後に副反応が出るケースがあります。ワクチン後にしっかりと様子を確認できるようにご家族の時間に余裕がある時に接種を行いましょう。(当院では午前中の接種をお願いしております)
◻︎接種当日から1週間程はお家でのんびり過ごしましょう。過度な運動(遊び)やシャンプーなど、ストレスかかることは避けてあげましょう。
◻︎元気がなくなる、食欲が減るという症状がみられることもありますが、1~2日で治ることが多いです。もし症状が継続するようであれば接種した病院に相談しましょう。
*非常に稀ですが、ワクチンの副反応として、アナフィラキシーショックを起こすことがあります。接種後1時間以内に発症するため、接種後1時間はよく様子を観察しましょう。異常があればすぐに動物病院にご連絡下さい。