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デンタルケア

ねこちゃんはわんちゃんに比べると歯科疾患になりにくいという通説がありますが、実はまったく違います。
歯周病(歯肉炎、歯周炎)、吸収病巣などはねこちゃんのよくある歯科疾患です。
歯周病とその予防について説明します。

歯周病について

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歯周病について

ねこちゃんの歯の構造と歯周病になるメカニズム

ねこちゃんの歯は、人間と形や数は違いますが歯の構造そのものは、人間と同様エナメル質・象牙質・歯髄(しずい)からできており、歯と歯肉の間には数ミリ程度の溝があります。この溝に歯垢がたまり、歯垢中の細菌により歯肉が炎症をおこすと溝が深くなります。このように炎症により深くなった溝を、歯周ポケットと言います。歯周病菌等の塊である、歯垢を放置すると、歯垢がさらに唾液中のミネラルと結合して大きな塊になって歯石となります。

目に見える部分の歯垢はご自宅の歯磨きなどでも比較的取りやすいのですが(歯周ポケット内の歯垢は歯磨きでは取りにくいです)、歯石になると専門の歯科器材(スケーラー)でないと、除去ができません。

猫ちゃんの歯の構造猫ちゃんの歯の構造

さらに、口腔内の環境の違いや、口の中を観察しにくく日常の歯磨きなど予防も難しいことから、人間よりもねこちゃんの方が歯周病にかかりやすいと言われています。

人間と猫ちゃんの歯の比較人間と猫ちゃんの歯の比較

歯周病は、アルカリ性の環境下で進行しやすいため、アルカリ性の口腔環境であるねこちゃんはそもそも歯周病になりやすいです。また、歯垢から歯石になるスピードもアルカリ性の方が早く、人間の約3倍(ねこちゃんは7日程度で歯垢から歯石になります)も早いです。

一方で、虫歯は酸性の環境下で進行しやすいことから、猫ちゃんは虫歯になりにくく、人間は虫歯になりやすいです。又、ねこちゃんは、人と違いアミラーゼというでんぷんを分解して糖にする酵素が唾液に含まれていないので、虫歯の原因になる糖がそもそも口腔内にありません。それらの理由からねこちゃんは虫歯の発生はあまりありません。

歯周病の進行

歯周病の進行

1 歯垢の形成

食べかすなどの汚れをエサにして細菌が増殖し歯垢が形成されます。

2 歯石の形成

歯垢に唾液中のミネラルなどが沈着して歯石が形成されます。ねこちゃんの場合、7日程度で歯垢から歯石に変化してしまいます。歯石の表面には歯周病菌がたくさん付着しています。

3 歯肉炎(歯茎に腫れのある比較的軽度な炎症)

歯周病という病気の初期段階です。歯周病菌によって歯肉(歯茎)が徐々に炎症をおこして、腫れたり、出血したりという症状が現れます。軽度の歯肉炎の段階であれば、まだ歯を抜かなくても病院でのケアとお家でのケアで回復する見込みがあります。

4 歯周炎(歯を支える骨にまで炎症が広がっている状態)

歯肉(歯茎)だけではなく、歯槽骨という歯を支える顎の骨まで炎症が広がった状態です。つまり、この状態まで進行してしまうと、歯茎が腫れ、膿が出たり、歯がぐらついて抜けてしまうことがあります。

歯周病と全身の病気の関連

歯周病は口腔内の問題のみならず、全身と関連があることが分かっています。具体的な例をあげると、歯周病と慢性腎臓病がお互いに影響しあっているといわれています。歯周病の予防をすることが慢性腎臓病の予防をすることにも繋がっていく可能性があると言えます。

歯周病のケア

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歯周病のケア

動物病院で行う方法としては、以下のものがあります

歯垢・歯石の除去(スケーリング)

全身麻酔を行い、専用のスケーラーという器材により、直接歯垢や歯石をとります。その後はポリッシングと言って、ザラザラになっている歯の表面を磨き、ツルツルにする処理を行ないます。

必要に応じ、炎症がおきた歯肉に抗生物質の投薬をすることがあります。

抜歯

重度の歯周病まで進行してしまうと、歯を抜かないといけない場合があります。歯を抜かずに放置すれば、さらに炎症が広がり、顎の骨が溶け、膿がたまってしまうこともありますので動物病院で相談しましょう。

投薬

口腔内の細菌を減らしたり、歯肉の炎症を抑えるために補助的にお薬の処方をすることがあります。歯石の除去やご自宅での歯磨きを同時に行って口腔内を清潔にすることが必要です。

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診察の流れ

1
口腔内のチェック

まずは、獣医師がお口の歯肉の状態や口臭、歯垢・歯石の付着状況などの口腔内を診察します。ねこちゃんの口の中は麻酔をかけないと詳細な観察は難しい場合があるため、後日麻酔をかけた時に口腔内の検査と治療を同時に行うことがあります。

2
麻酔前検査

歯垢・歯石の除去や抜歯をする際には、全身麻酔をかけます。健康状態の確認のために、胸部レントゲン検査、血液検査などを行います。

3
麻酔下での口腔内検査および
歯科処理

麻酔下で口の中を観察し、スケーラーで歯垢や歯石を除去したり、可能な限り歯は温存しますが必要に応じて歯を抜く(抜歯)処置を行います。ほとんどのケースで入院は不要です。

4
経過確認
&カウンセリング

歯科治療を行ってから1週間後くらいに、再度通院して口腔内の状態やその他の健康状態をチェックします。場合により、カウンセリングやデンタルケア指導を行います。
その後は、ご自宅でのデンタルケアを徹底していただいたり、動物病院での定期的な口腔内検診によって歯周病予防を行います。

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歯周病の見分け方

このような様子がみられたら、すでに進行している歯周病の可能性があります。

非常に強い口臭がある
歯茎が赤く腫れあがっている
歯茎から出血がある
口元を触ろうとすると痛がって嫌がる
食欲がへる(ドライフードがうまく食べられない)
よだれが異常に多くなる
歯がグラグラしている

こうなる前の予防が大切です。日頃からのケアを頑張りましょう。

歯周病の予防方法

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歯周病の予防方法

一番の予防は、お家での歯磨きです。ウェットフードや液体のおやつを与えている場合は、できれば毎日歯磨きを行いましょう。はじめはご家族の方も毎日の歯磨きを負担に思われるかもしれませんが、歯周病は歯磨きである程度予防ができる病気です。歯磨きをする時間を決めたり、ねこちゃんが嫌がらないような歯磨きの工夫をすることで歯磨きを習慣化していきましょう!

びっくりマーク

どうしても口の中をみせてくれない子も多いので、嫌がらずに口を見せてくれるようならトライしてみましょう。

ねこちゃんが嫌がらない!お家での歯磨き方法のコツ

歯磨きが大事なことは分かっていても、ねこちゃんが歯磨きを嫌がってしまうと、毎日の歯磨きがとても大変になってしまいます。ねこちゃんができるだけ嫌がらないように歯磨きをする工夫をご紹介します。

子猫期からの歯磨きの癖づけが重要

子猫の時から、お口周りを触ったり、歯磨きをする癖をつけることでねこちゃんは歯磨きを受け入れるように刷り込まれていきます。子猫がいるご家族は、ぜひ子猫のうちからスキンシップとしてお口を触ったり、歯磨きシートなどで軽くふき取ってみましょう。

1歳以降の大人のねこちゃんには歯磨きが怖いものと思わせない工夫を

「歯磨きが怖い」、「嫌な時間」というように、ねこちゃんにとって苦痛を感じさせないように、次のステップを踏んでゆっくりと歯磨きに慣れさせましょう。

STEP 01

日々のお手入れやスキンシップでリラックスしている時を見計らって、少し口周りを触ってみましょう。長時間ではなく、短い時間でさっとやることがポイントです。

STEP 02

歯磨きシートを指に巻いて、前歯や犬歯を軽く拭いてみましょう。短時間でさっと行うことがポイントです。嫌がったら無理強いせずに、リラックスしていたり機嫌が良い時に行って慣らしていきましょう。犬歯まで拭かせてくれたら、奥歯も少しずつ同じ要領で行ってみましょう。終わったら、歯磨きが嫌な記憶に結び付かないようにするためにご褒美でお気に入りのおやつをあげるのもおすすめです。

STEP 03

最後に猫用の歯ブラシに猫用の歯磨き粉をつけて、優しく軽いタッチで汚れをとっていきましょう。1回あたりの歯磨きを短時間で終わらせることが大切です。特に奥歯の部分に歯垢がたまっていることが多いため、意識して磨きましょう。

びっくりマーク

必ずねこちゃん用の歯磨き粉を使いましょう。人間用の歯磨き粉は絶対に使ってはいけません。

歯磨きおやつを補助的に使うこともOKです

どうしても歯磨きができないというねこちゃんの場合は、歯磨き用のねこちゃんのおやつを与えてみると良いでしょう。

ご家族にとっても、ねこちゃんにとっても歯磨きが当たり前の習慣になるように、工夫しながら徐々に慣らしていきましょう。歯周病は歯磨きである程度、予防ができる病気です。
勿論、動物病院で定期的に口腔内のチェックをし、必要に応じて歯石除去などのケアをすることも大切です。

ねこちゃんにとって、定期的な歯のチェックは重要です。まずは一度、ねこちゃんがどのような状況なのか動物病院で診察をうけましょう。
当院では歯磨き指導なども行っています。歯のお手入れなどのお悩みもご相談ください。

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