猫の高血圧症
こんにちは、ねこのクリニック浦和です。
今日は猫ちゃんの高血圧についてお話しします。
高血圧症とは血圧が高い状態が慢性的に続く状態のことです。
人間では加齢と共に非常に一般的な病気ですが、高齢の猫ちゃんも高血圧症になりやすいことはご存知でしょうか?
猫ちゃんの場合、自分で気分が悪いなど言うことが出来ないので高血圧単独で飼い主さんが気づく症状はほとんどなく、症状として現れる時には、例えば、網膜剥離を起こして急に失明してしまうなど相当進行してしまっていることが殆どです。
原因は、猫ちゃんに多い病気、腎臓病、甲状腺機能亢進症、糖尿病などが原因となって発症することもあれば、特にこれと言った原因がなく高血圧症になることも多々あります。
高血圧が長く持続すると、目や心臓への脳などへの悪影響があり、様々な病気につながることが分かっています。例えば、
目:網膜剥離
心臓:心筋の肥大、不整脈
脳:脳出血などにより、発作、麻痺
などがあります。
そのために高血圧症は、是非、症状がないうちに見つけてあげて、薬による治療を始めたい病気のうちの一つです。
発見のためには「血圧測定」が必要になります。
猫ちゃんの血圧測定は動物専用の血圧計をを尻尾や腕に巻き付けて測定します。
みなさんは人の「白衣高血圧」という言葉をご存知でしょうか?
これは、正常な血圧の方が、白衣の先生や看護師さんに緊張してしまって血圧が上がり、病院では高い血圧の数値を示すことを言います。
猫ちゃんの場合にも、この白衣高血圧と同じように診察を待っている間や検査の後などの緊張や、怒ってしまった場合でも血圧は上がるので、当院では、待ち時間を極力少なくし、猫ちゃんが落ち着く静かな部屋で同じ測定者が同じ部位で複数回数値を測り、極力信頼性のある数値を出すよう努力しております。
(お家でリラックスしているときに測れると良いのですが、現在動物用の家庭用血圧計として販売されているものの信頼性は低く、医療目的では使用できません。)
高齢な子、怒りっぽい又は神経質な子、太っている子などでは、原発性高血圧症のリスクが高いと言われていますし、腎臓病や甲状腺機能亢進症の子などでもリスクが高いと言われています。
このような子では、定期的に血圧を測定することをお勧めしています。