避妊手術のメリットとは?
避妊手術のメリットとは?
病気の予防につながる
これが最も大切なメリットといえますが、避妊手術をすることで子宮蓄膿症や子宮内膜炎、早い時期に手術をすると乳腺腫瘍などを高い確率で予防することができます。乳がんは、ねこちゃんの悪性腫瘍「がん」の中で最も多く、転移のリスクが高い非常に怖い病気です。
発情期のストレスを軽減できる
女の子のねこちゃんは、生後約8カ月で子供を生めるようになり、春・夏の時期に年に2~3回(環境などにより違いがあります)ほど発情期を迎えます。発情期には、ねこちゃんが
などの行動をとります。この時期に猫ちゃんをお外に出さないことは猫ちゃんにはもちろん、一緒に暮らす人間にも、大声で鳴き続けられるなど一緒にいることがストレスになります。
避妊手術をすることで、この発情期がなくなります。
望まない妊娠を防ぐことができる
完全室内飼いであっても、不妊手術をしていない女の子の猫ちゃんがお外に逃げ出してしまい、帰ってきたら妊娠していたということはよくあることです。ねこちゃんは、交尾によって排卵するため高確率で1回の交尾で妊娠してしまいます。また、年に数回出産が可能で1度に多ければ8頭もの子供を生むので不妊していない猫ちゃんをオスメスで飼うと、どんどん数が増えてしまい、健康な状態で飼育することができる限界を超えてしまいます。
避妊手術のデメリットは?
避妊手術のデメリットは?
太りやすくなる
手術によりホルモンバランスが変化して、食欲が非常に強くなったり、食事量が変わらなくても代謝が落ちて、太りやすくなります。食事内容・食事量などを調整し、体重管理をする必要があります。
麻酔のリスクがある
手術の際には、必ず全身麻酔を行います。全身麻酔にはリスクが伴いますが、 当院では手術前に身体検査・血液検査・胸部レントゲン検査を必ず行います。それらの検査で問題がないかをしっかりと確認したうえで麻酔を行っています。勿論、検査結果が良好でない場合は手術可否の判断や手術日程の変更などをします。
避妊手術をするべき
タイミングは?
一般的にねこちゃんが性成熟する前の時期である生後6か月頃を目安に避妊手術をすることがよいでしょう。
ただし、個々の体の成長具合や飼育環境などによっておすすめの時期は異なりますので動物病院でご相談下さい。
避妊手術の流れは?
麻酔をしても問題ない体調かどうかを確認するため、身体検査・血液検査・胸部レントゲン検査を実施し、手術日をご相談の上決めます。血液検査の結果がでるのに通常数日かかりますので、手術を希望する日よりも1~2週間程度早めに術前検査の予約をとって来院して下さい。
全身麻酔・鎮痛剤の投与等を行います。その後、毛刈り、消毒を実施した後開腹し、卵巣と子宮を摘出します。卵巣のみもしくは、卵巣と子宮を摘出することを不妊手術といいますが当院では基本的に卵巣と子宮の両方を摘出します。摘出した後はおなかを縫合して完了です。手術後に麻酔から覚醒して数時間、様子をチェックします。通常は手術当日にねこちゃんをお渡しします。
縫合した部分をねこちゃんがなめてしまわないように、エリザベスカラーなどを装着することもあります。また縫合の際に、溶ける糸を使用した場合は抜糸は不要です。溶けない糸を使用した場合は、手術から1週間程度で来院していただき、糸を抜き取ります。